- Ac2ated SoundとCAirS: 2つのテクノロジーがCESイノベーションアワードを受賞
- デジタル機器としての車両からマルチモード都市ナビゲーションまで:
相互接続されたモビリティに向け革新的ソリューションとサービスを展示 - トレーラーヒッチや電気自動車の充電 ― 自動化や電動化への道を開く
クルマは、車両自体が運転タスクを引き受け、新しいドライブシステムで目的地を目指すと同時に、ユーザーのデジタルライフの中心になりつつあります。テクノロジーカンパニー・コンチネンタルは、2018年1月9日から米ラスベガスで開催されるコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES 2018)に出展し、自動化、接続性、電動化が、車両だけでなくモビリティ全体を新しい種類の空間へと変貌させる姿を披露します。
「自動車業界の進歩は、もはや馬力と最高時速で計測できるものではありません。今日、モビリティソリューションが成功しているかどうかの判断基準となるものは、安全性、ユーザーエクスペリエンス、および持続可能性です。 コンチネンタルはCES 2018でモビリティをすばらしい空間へと転換させるソリューションを展示します」とコンチネンタルの取締役会メンバーであり、インテリア部門の責任者のヘルムート・マッチ(Helmut Matschi)は話しています。
コンチネンタルのテクノロジーがCESイノベーションアワードを受賞
CES開催前ではありますが、コンチネンタルの2つの最新技術がCESイノベーションアワードを受賞しました。コンチネンタルのスピーカーレスオーディオシステム Ac2ated Soundは、車載オーディオ・ビデオ部門での受賞となりました。Ac2ated Soundは、従来のスピーカーをアクチュエーターに置き換えたものです。アクチュエーターは、弦楽器と同様の原理を利用して、車内のある面を振動させることにより、高品質の3Dオーディオを作り出します。
その結果、Ac2ated Soundは、従来のスピーカーシステムと比較して重量と設置スペースを大幅に削減しながら、優れた音響特性を実現することに成功しました。
また、コンチネンタル・エア・サプライ(Continental Air Supply: CAirS)は、エコデザイン・サスティナブルテクノロジー製品部門でイノベーションアワードを受賞しました。エア供給モジュールは高度に統合されており、車両への実装作業がシンプルになるだけでなく、エネルギー消費の節約も可能になります。車両への取り付けを容易にするため、コンプレッサー、バルブブロック、電子制御ユニット、温度センサー、圧力センサーがすべて単一のコンパクトなモジュールに統合されています。小型化により、従来のコンポーネントと比較して重量を25%削減し、エネルギー消費を減少させ、持続可能で環境に配慮したモビリティをサポートします。
接続性と人工知能によって、車両はデジタル機器に様変わり
デジタル世界におけるユーザーエクスペリエンスを車内でも実現させるため、コンチネンタルは人工知能を使って車両全体をデジタルデバイスに変身させます。ディープラーニング(深層学習)のアルゴリズムに基づき、車両はユーザーの行動を記憶・解釈し、ナビゲーションやインフォテインメントの内容を順応させ、さらにドライバーの希望を予期します。 ドライバーと車両との自然な会話を可能にするために、アマゾンのクラウドベースの音声サービスAlexaを複数の車両機能にリンクさせ、例えば、警告やエラーメッセージの意味をドライバーに直ちに説明する対話型ユーザーマニュアルの実現をサポートします。警告内容やドライバーの様態に基づいて、車両はどのように進行するかスマートに提案します。
ユーザーエクスペリエンスとしての包括的コネクティビティ
包括的コネクティビティのデモ車両で、コンチネンタルは新しいレベルのユーザーエクスペリエンスを実証します。 デモ車両は、サービス指向のアーキテクチャをベースに、サードパーティー製のコンテンツやサービスを含め、新しい機能を迅速かつ安全に提供することができます。デジタルトラベルガイドは、センターコンソールのタイムラインまたは音声を利用して、ナビゲーション、インフォテインメント、旅行サービス、車両アシストに関する、状況に応じた、可変的でインタラクティブな情報をドライバーに提供します。
総合システムとしてのデジタルコックピット
コックピットシステムの統合により、コンチネンタルは車両インテリア向けに、いかに未来的なプレミアムデザインの実現が可能かを実演します。大きな曲面ガラスの真下に位置するコックピットは、車幅全体にまたがる複数のディスプレーとタッチスクリーンをまとめ上げて、デジタルサイドミラーからセンターディスプレーにいたる完全なシステムを形成します。 また、タッチ操作検出と触覚的フィードバック、ドライバーの状況をモニタリングするインテリアカメラが、幅広いユーザーエクスペリエンスを次世代車両に展開できることを証明します。
ピックアップトラックドライバーのユーザーエクスペリエンス向上
ピックアップトラックのドライバーが直面する最も困難な課題のひとつは、トレーラーを安全かつ確実に連結することでしょう。これには、かなりの精度と腕前が必要です。コンチネンタルは、インテリジェントなバックモニターカメラモジュールを応用し、経験の浅いユーザーであっても作業を容易に行える、トレーラーの連結作業自動化システムを考案しました。ドライバーは、車内のモニターまたはモバイルデバイスを使用して、操作を簡単にコントロールできます。さらに、コンチネンタルは、自社のPASE(パッシブスタート・パッシブエントリー)システムを活用した快適性機能をも開発することで、ピックアップトラックドライバーは鍵を使用せずともドアを開けることができるようになります。スマートフォンやウェアラブルデバイス(スマートウォッチやスマートリングなど)を身に着けて車両に近づくだけで、仮想キーで車両ドアが開けるのです。荷物の積み下ろしを簡単にするため、PASEシステム自体はリフトゲートに組み込まれており、ドライバーが近づいたり、離れたりすると自動的に開閉します。
インテリジェント・ガラス・コントロールは、ピックアップトラックの窓ガラスを自動または手動で暗くすることができるため、さらなる快適性と安全性を提供します。 LEDの環境照明や読書灯、さらにはタッチ操作機能も、インテリジェント・ガラス・コントロールに組み込むことができます。
電気自動車の充電プロセスを自動化し、移動電源に転換
多くのドライバーが夢に描くのは、いつか、電気自動車とプラグインハイブリッド車の充電が、ガソリン給油並みに簡単になることです。CES 2018でコンチネンタルが発表するのは、電気自動車の強みを十分に発揮できるようにする2種類の新しいバッテリー充電システムです。例えば、新たに発表した自動無線充電システムは、究極の利便性を提供します。このワイヤレス充電技術により、ケーブルを操作する必要はなくなります。さらに、ドライバーの介入なしで動作可能なコンチネンタルのマイクロナビゲーションにより、部分的な自動運転が行われ、車両はトランスミッター上に正確な充電位置を見つけることができます。もうひとつのイノベーションは、有線充電に革命をもたらします。汎用充電システムAllChargeは、充電容量、電流タイプ・電圧に関わらず、すべての充電ステーションに対応できるため、わざわざ適切な充電ステーションを探す必要がありません。その柔軟性と性能に加えて、AllChargeは電気自動車を移動電源として使うことも可能となり、テールゲートパーティー、キャンプ旅行や建設現場で活用できます。
すべてを一目で捉える:高解像度3Dフラッシュライダー
車両の全周囲を検出する能力は、自動運転における基礎的な必要条件です。その鍵となるコンポーネントが3Dフラッシュライダーです。 HFL110は、近距離検出を目的として開発され、視野角120度内で毎秒30回の高解像度3D点群を生成します。つまり、視野内の全ピクセルにつおいて、正確な距離測定がリアルタイムで行われ、車両の運転ストラテジーを決定するために必要な物体リストが生成します。反射率の影響を受けず、不利な気象条件においても高いロバスト性で、センサー性能をさらに高めています。 3Dフラッシュライダーは、レーダーやカメラなど車両周囲をモニタリングする他のセンサー類ともに、いつでも車両周辺に存在するあらゆるものを検出する強力なパッケージを形成します。
City Navigationアプリで市街地をスマートに散策
コンチネンタルが提供するCity Navigationアプリは、スケジュールや遅延状況、交通情報にアクセスでき、都市を移動する際に役立ちます。 このアプリは、ユーザーにモビリティサービスの情報を提供するだけでなく、オンラインナビゲーション、予約、チケット購入などを通じて、ワンストップショップを提供します。
このアプリは、交通量の多いルート、事故や工事が行われているルートを回避するようドライバーを案内したり、効率的に運転するアドバイスも提供します。 また、アプリでは、利用可能な駐車場のリアルタイム表示、直接予約ができることから、これまで駐車スペースを探すのに費やされた時間を削減することが可能です。コンチネンタルは、シンガポールを拠点にインテリジェントモビリティソリューションを提供するコンチネンタルの子会社クアンタム・インベンションズ(Quantum Inventions)と協力して、このアプリを開発しました。 現在、このアプリは、東南アジアでGoogle PlayとApp Storeを通じて提供されていますが、コンチネンタルでは他地域での展開も計画しています。
Zonar Coach:先進運転支援システムは、プロドライバーのインストラクターに
コンチネンタルが株式の過半数を保有するゾナー・システムズ(Zonar Systems)は、商用車向けフリートマネジメントのスマートなソリューションを提供しています。ゾナー社は、 安全性と効率性の向上と商用車の正確な運転技術の促進を目的としたビデオベースのトレーニングアプリケーションZonar Coachを発表します。このシステムは重力センサーとカメラ技術を使用して、運転中の危険または非効率な行為を認識します。 ドライバーに指示を与えることで、Zonar Coachは事故を防止し、効率を高め、正しい車両操作をリアルタイムで実現します。
サーバーベースのE/Eアーキテクチャにおける中央処理装置
自動車業界の世界的トレンドの変化にともなって、車両アーキテクチャに対する新しいアプローチが必要となっています。コンチネンタルは最新のE/Eアーキテクチャの基盤となる車載サーバーを展示します。 高性能コンピューターは、事前定義された機能のアプリケーションソフトウェア、サードパーティーのソフトウェアやサービスのためのプラットフォームです。 コンチネンタルの車載サーバーは、ネットワーク管理者としても機能し、通信インターフェースとしてのインテリジェント・アンテナ・モジュールとともに、リモートメンテナンスや車両サイバーセキュリティー向け無線ソフトウェア更新プログラム用の中心的なアーキテクチャ要素を提供します。 エレクトロビット社(Elektrobit)のソフトウェア管理、アルグス社(Argus)のサイバーセキュリティーソリューション分野における専門知識は、車載サーバーの不可欠な要素です。