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      2022年1月6日

      2045年気候目標: 「一つ一つの政治判断に数千人の雇用が左右される」

      • 2045年までの気候目標達成に向け、移行プロセスの加速が不可欠
      • コンチネンタルの人事およびサステナビリティ担当取締役アリアーネ・ラインハート「気候変動の影響により、社会への広範な波及効果を伴いながら、経済上の地殻変動が起ころうとしている。数千人の雇用と数十億ユーロの産業的付加価値が、一つ一つの政治判断に左右される」
      • ラインハート「変革は可能だが、不連続性を生じさせてはならない。気候保護に必要な条件を整えるということは、大規模な失業を防ぐということでもある」
      • 的確な研修施策を通じ、新たな雇用機会を活用
      • コンチネンタルの製造部門ではカーボンニュートラルを2040年までに、バリューチェーン全体の完全なカーボンニュートラルを遅くとも2050年までに達成

      現地時間2021年11月8日 にドイツ・ハノーバーで発行されたプレスリリースの抄訳です。英文の原文との間で解釈に相違が生じた際には原文が優先します。

      テクノロジーカンパニーであるコンチネンタルは、ドイツ経済のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの勢いを増すとともに、的確なコンセプトを打ち出すことを呼び掛けています。気候変動に関するドイツ政府の自主目標を2045年までに達成するには、適切なコンセプトがなければ重大な混乱が生じるリスクがあります。そのため政策当局は、持続可能な変革に必要な条件をあらゆるレベルで整える必要があります。コンチネンタルの人事およびサステナビリティ担当取締役アリアーネ・ラインハート(Dr. Ariane Reinhart)は、次のように述べています。「気候変動の影響は劇的であり、社会に広範な波及効果を及ぼしながら、経済上の地殻変動を招こうとしています。数千人の雇用と数十億ユーロの産業的付加価値が、一つ一つの政治判断に左右されるのです。変革は可能ですが、不連続性を生じさせてはなりません。気候保護に必要な条件を整えるということは、変革を推進するだけでなく、大規模な失業を防ぐということでもあります。」だからこそ、気候関連の変革がもたらす新たな雇用機会の発見が必要不可欠なのだ、とラインハートは続けます。「従業員が別の働き方に移行する手助けをし、的確な研修計画を通じて新たな可能性を提供しなければなりません」

      経済原理を念頭に置いた優遇制度は、カーボンニュートラル実現の後押しとなるでしょう。ラインハートは「カーボンニュートラルには商業的価値もある、というメッセージを発することが欠かせません。目標は定まりました。しかし、私たちは経済・社会全体を変革しようとしているのであり、これに合ったコンセプトが欠けています」と説明します。さらに彼女は、的確なコンセプトがなければ社会の調和が脅かされ、持続可能性と変革が必要だとの訴えは支持されにくくなると警告します。

      こうした中、ドイツ経済研究所(ベルリン)のエネルギー・交通・環境部門長で、ロイファナ大学リューネブルク校でエネルギー経済学・エネルギー政策の教授を務めるエネルギー経済学者クラウディア・ケンフェルト博士(Dr. Claudia Kemfert)は、再生可能エネルギーの利用拡大を大幅に加速させ、2030年までに石炭を脱却するよう訴えています。

      「次期連邦政府は、私たちに残されたカーボンバジェットと、ドイツで気候目標達成を目指すための手段を明示しなければなりません。交通の移行を開始するとともに、的確な補助金を通じ、持続可能な農業と工業の脱炭素化の両方を促進することが求められます」

      ドイツからの集団脱出の防止

      ラインハートはカーボンニュートラルへの道のりについて、大きな不連続性を生じさせてはならないと指摘します。また、経済におけるバリューチェーン全体の変革については、連帯と先見性のあるやり方で形にすべきだと言います。「企業はより幅広いレベルで行動し、サプライチェーンを構成する全ての主体に焦点を当てなければなりません。カーボンニュートラルな事業には、バリューチェーン全体を視野に入れることが必要なのです」ラインハートによれば、そのためにはエネルギーコスト上昇による企業の集団脱出を防ぐことが重要です。「エネルギー価格の上昇は、特に大きな集団脱出のリスクを生じさせ、そうなれば潜在的な社会への打撃はさらに増幅します。対策例として、持続可能性を認証できる方法で製造した商品の付加価値税を下げるなどすれば、企業の財務的負担を和らげるのに役立つかもしれません」。さらに、持続可能な製品の最終価格が少なくとも一時的に高くつくことを、企業と消費者が理解することが必要不可欠だ、と続けます。「同時に、全ての国が効果的な気候政策の追求に真剣に取り組まなければなりません。このことは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の一連の報告でも、グラスゴーでの国連気候変動枠組み条約会議の議論でも、明確に示されています」

      ケンフェルト博士は次のように述べています。「できるだけ多くの国が、拘束力のある形でパリ協定の目標を履行しなければなりません。それにより、汚染を伴う生産活動は徐々に縮小していきます。気候を保護しないことによる損失こそが真のコストであることを、明確にしなければなりません。変革とそれに伴う多額の投資は、付加価値やイノベーション、新規雇用を創出します。適切な条件を整えることが、そうした投資を円滑化し、後押しし、企業や経済に多大な商機を生み出すのです」

      2040年までに自社生産のカーボンニュートラルを実現

      コンチネンタルは自動車産業のグローバル企業として、長年にわたり持続可能かつ責任ある経営を企業戦略に組み込んできました。ラインハートは「当社ではここ数年、有意義な気候目標の達成とカーボンニュートラルの実現を直接目標とする一貫した戦略を、全ての国で、バリューチェーン全体において追求しています」と語ります。

      コンチネンタルは2020年、自社生産への電力供給源を全面的に再生可能エネルギーへと移行させました。自社製品においては、2040年までにカーボンニュートラルを達成します。そしてバリューチェーン全体では、協力会社とともに、顧客、産業、市場、それぞれのペースで、遅くとも2050年までに完全なカーボンニュートラルを達成することを目指します。