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      2019年10月23日

      コンチネンタルとLeia社の新しい3Dライトフィールドディスプレイが自動車に3D をもたらす

      • 革新的なライトフィールドテクノロジーは、特別なメガネなしで、すべての搭乗者におけるかつてない3Dエクスペリエンスを実現

      • 包括的なディスプレイテクノロジーとコンテンツプラットフォームにより車内での安全性と快適さの要求の高まりに対応

      • コンチネンタルがシリコンバレー企業のLeia社と提携

      一時停止の標識が赤く輝きながら画面の手前に見えます。家の列がナビゲーションシステムから浮かび上がっています。自動車メーカーのロゴがダッシュボードの前で空中を回転しています。コンチネンタルは、このような3次元効果によって、自動車のディスプレイの構成方法に革命を起こすことを目指しています。テクノロジー企業であるコンチネンタルは現在、シリコンバレーの企業のLeia社と共同で、革新的なコックピットソリューションNatural 3D Lightfield Instrument Clusterの開発を進めています。これにより、かつてない品質を有する第3の次元が次期自動車に持ち込まれます。ライトフィールドディスプレイは、3Dデプスの快適な知覚だけでなく、ハイライト、きらめき、その他の複雑な光効果の表現が可能な次世代の媒体です。このテクノロジーにより、ドライバーへの安全な情報提示がリアルタイムにでき、ドライバーと車両とのやり取りがより快適で直感的になります。また、前席と後部席の搭乗者が3Dエクスペリエンスをドライバーと共有できます。

      「新次元の快適さと安全性」

      この新しいライトフィールドコックピットは、自動車内でのヒューマン・マシン・インタラクションの設計における進化の一段階です。コンチネンタルのInstrumentation & Driver HMI事業部の責任者を務めるフランク・ラーベ(Dr. Frank Rabe)は次のように説明しています。「今日の自動車業界における最大の難題の1つは、ヒューマン・マシン・インタラクションのためのインテリジェントな概念を開発することです。ドライバーエクスペリエンスを拡大し、運転から気をそらせることなくドライバーが簡単かつ効果的に車とやり取りできるソリューションを構築することです」。「この新しいライトフィールドディスプレイは、最高レベルの品質を有する第3の次元を車に持ち込むだけではありません。この革新的なテクノロジーは快適さと安全性の新しい次元も構築します。さらに、当社のソリューションはすべての自動車メーカーのお客様のドライバーエクスペリエンスを拡大し、個別仕様の設計領域により競合他社との差別化を図る可能性をすべての自動車メーカーに提供します」。新システムは2022年までに量産に入るとされています。

      自動運転までの過程において、たとえばビデオ通話、インターネットの閲覧、ショーや映画の鑑賞など、他の活動にドライバーが携わる機会が増加します。Leia社の共同創設者兼CEOであるDavid Fattal氏は次のように述べています。「車はモバイルの次のフロンティアであることは明白です」。「当社にとって車は、その環境のフル3D認識によりスマートフォンをより大きく、より没入型にしたようなものです。没入型ゲーム、ビデオストリーミング、ソーシャルシェアリング、さらにはeコマースにいたるまで、当社の成長を続けるライトフィールドエコシステムを展開するための論理的な場所です」。

      車内の視覚的快適さを求めて特別に設計されたワイドディスプレイでコンテンツを視覚化することにより、スマートフォン使用時よりもはるかに洗練されて楽しくなります。また、ビデオ通話や拡張現実機能、パートナーシップを開拓するための機能に、内部または外部のカメラシステムを活用する可能性も生まれます。

      3Dライトフィールドのコンテンツは車内の誰もが見ることが可能

      コンチネンタルのナチュラル3Dディスプレイに使用されているLeia社のライトフィールドテクノロジーは、ヘッドトラッカーカメラを必要としません。これは実用的であり、もちろん費用対効率にも優れた利点です。さらに、以前は不可能だった、前部座席と後部座席の搭乗者も、座った位置から同じ3D画像をはっきりと見ることができます。そのうえ、以前の3D手法と比較して、新しいシステムの品質にはさらにもう1つの飛躍があります。ライトフィールドディスプレイによって生成される3D画像は、同じオブジェクトが合計8つの視線から構成されていて、それぞれの視点に応じて視線が微妙に異なります。

      各乗車位置からの角度が変わると、ライトフィールドディスプレイの見え方も「変化」します。この方法により、他を圧倒する自然な情報表示が可能になります。コンチネンタルのディスプレイソリューションズのプロダクトマネジャー、カイ・ホーマン(Kai Hohmann)は述べています。「当社のライトフィールドディスプレイにより、まったく新しいレベルの3D画像ディスプレイを達成しました」。「ナノ構造を持つ新開発の光導体が品質の最重要点です。光を屈折させているのではなく、光を曲げて正確に導くことによって必要な最適3D効果を達成しています。このテクノロジーによってのみ、車内の快適さと安全性に対する絶え間ない要求の高まりに対応することができます」。

      コンチネンタルでは現在、Leia社のテクノロジーを自動車で利用するための適応化を進めています。最近まで、メガネを必要としない3D効果を実現するためには、パララックスバリアまたはレンチキュラーというテクノロジーのいずれかが使用されていました。それらは、光を遮断または屈折させる特殊な手法により3D効果を実現するというものです。特にパララックスバリアシステムは、観察者の正確な頭の位置の方向に3Dビューを調整するためにヘッドトラッカーシステムを必要とするため、シングルユーザーアプリケーションのみを提供します。さらにフィルタと同様に、ドライバー、助手席および後部座席の搭乗者を対象に設計されたマルチユーザアプリケーションにおいて、知覚される画像画質および効果性に影響をおよぼす可能性があります。自動車業界では、最高レベルの品質が、特に情報表示用として不可欠です。Leia社のDLB™(回折型ライトフィールドバックライト)テクノロジーを使用するコンチネンタルの新しい3Dライトフィールドアプリケーションは、従来の3Dディスプレイとは比較にならない高いレベルを提供し、太陽光が直接輝いているときでもきわめて鮮明なスクリーンを実現します。

      シリコンバレーのナノテクノロジーの利用

      Natural 3D Lightfield Instrument Clusterの解像度とルックアンドフィールは、従来の3Dディスプレイよりも明らかに優れています。これは新開発のテクノロジーである回折ライトフィールドバックライトによって達成されました。これによって回折格子とナノ構造を持つ光導体がディスプレイパネルの下で正確な光の回折を作り出し、その結果、自然な3D効果を生み出します。このライトフィールドモジュールは、市販のディスプレイに簡単に組み込むことができます。

      Leia社の共同創設者でCTOを務めるZhen Peng氏は次のように述べています。「Leiaは、大規模かつ大量の生産に適した最先端のナノ製造プロセスを開発しました。これにより、昨年そのテクノロジーの商業化が実現されました。当社は、HPから根付いている経験と過去5年以上にわたって継続してきた社内開発の経験を活用して、歩留まりとコスト競争力の高い大規模基板に高度なリソグラフィを橋渡ししました。そして、これからは自動車の安全規格とコスト競争力に準拠しながら、この独自能力をいっそうの大規模化を達成していきます」。Leia社のライトフィールドテクノロジーは、AT&TとVerizonのスマートフォンディスプレイとして、米国での商業的なデビューを果たしました。消費者はすでに、かつてない3D品質でゲーム、映画、拡張現実、写真の共有を楽しむことができるようになりました。ライトフィールドエクスペリエンスは、ライトフィールドディスプレイと、コンチネンタルが提供する自動車用ユースケースの包括的なアプリケーションで構成されています。

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      自動車用コンテンツとライトフィールドSDK

      この提携はハードウェアにとどまらず、両社はコンテンツの作成と開発者エコシステムのサポートについても協力しています。Leia社は現在、コンテンツをライトフィールド形式に変換または作成するためのクリエイティブなツールキットを提供しています。視覚的な快適さを確保するための自動設定を備えています。新しいディスプレイのライトフィールドプロジェクションには、さまざまな用途が考えられます。運転者支援システムからの警告を3Dで表示する、ナビゲーションシステムからの指示を格段に明確に表示できる、パーキングアシスタントのグラフィック表示(たとえば360度のバードビューアシスタント)が3Dで本当のアイキャッチャーになる、3Dアニメーションを使用して製造業メーカーのロゴが3Dで回転するようにして車両システムの挨拶文を強調できる、などが挙げられます。ホーマンは次のように強調します。「この場合に注意しなくてはいけない点は、当社の新しいディスプレイの3Dアニメーションが、映画館のように、車の中を飛び回ることはないということです。当社はグラフィックの背面までの奥行きに注力しており、すべての3Dオブジェクトが画像から最大5センチ飛び出すことができます。これは目に対してはるかにリラックスした状態になり、ドライバーの気を散らすことが絶対にありません。そしてもちろん、フル3D効果に対応し、メガネは必要ありません。すべてのプロジェクションは肉眼で見ることができます。

      この提携では、コンチネンタルの自動車情報システムとセンサーに関する専門知識を活用して、Leia社のコンテンツプラットフォームLeiaLoft™を拡張し、自動車メーカーおよびサードパーティーの開発メーカーが未来の自動車用の「ホログラム」アプリを容易に作成できるようにすることを計画しています。このAutomotive Software Development Kit(SDK)では、開発者が自動車の室内および外側の環境にフル3Dでアクセスでき、ホログラムナビゲーション、パークアシスト、または拡張現実の多数のアプリケーションをデジタルクラスタまたは中央情報ディスプレイ上で実現できます。

      Leia社.の共同創設者兼社長であるピエール=エマニュアル・エヴリュー(Pierre-Emmanuel Evreux)は述べています。「私たちのライトフィールドプラットフォームを自動車向けに活用できることに心が躍ります。個別センサーのデータ(LiDAR、カメラ)を活用することにより、上質のアプリケーションを提供し、モバイルエコシステムを自動車に持ち込んで、高度なドライバーエクスペリエンスを構築します」。“

      Leia社とのコラボレーションは、コンチネンタル内のスタートアップ組織Co-paceによって開始されました。コンチネンタルのコーポレートベンチャーキャピタルチームを通じて、少数株主持ち分の出資で関係がいっそう強固になりました。Co-paceは、革新的な外部新興企業とコンチネンタルとの提携を実現しています。

      利用可能なドキュメント