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      2020年5月25日

      ギアボックスの代わりにベルトを使用: コンチネンタル、Goldwindの風力タービンに効率のよいドライブベルトを供給

      • 新アプローチ: ナセル内のギアボックスを、特許取得済みの独自設計によるベルトに交換
      • 投資:  200万ユーロを投資。ダンネンベルク拠点にてタイミングベルトの生産を拡大

      テクノロジーカンパニー、コンチネンタルは、中国の風力タービンメーカーである、Xinjiang Goldwind Science and Technology(新疆金風科技股分有限公司:以下Goldwind)にドライブベルトを供給します。このベルトは特許取得済みの独自構造で、ドイツのダンネンベルク拠点で製造しており、歯車や油圧装置に依存することなくローターブレードの調整が常時可能となります。このベルトは、タイミングベルトの製造に使用する2種類の技術を組み合わせて開発され、Goldwindに最適な製品を実現しました。コンチネンタルは2018年、Goldwindからの年間100km以上に上るドライブベルトの需要にこたえるため、およそ200万ユーロを投資しニーダーザクセン州にある拠点に新設備を導入しました。

      タイミングベルトは複雑なギアボックスに代わる製品として有望

      Goldwindは、ブレードの調整にギアボックスではなくドライブベルトを使用する数少ないプロバイダーの1社です。風力の変化に柔軟に対応するためにドライブベルトの使用は不可欠になりつつあります。コンチネンタルのダンネンベルグ拠点の責任者であるロルフ・マーウィーデ(Rolf Marwede)は次のように述べます。「タイミングベルトはGoldwindにとってなくてはならないもので、これにはいくつか利点があります。たとえば、ベルトを使ったシステムは構造がより単純なため、ナセル上部での振動や干渉を受けにくい、という点があります。また当社のベルトが耐摩耗性と耐久性に優れている、という点もあげられます」

      マーウィーデはさらに続けます。「当社が供給するベルトは潤滑油を必要とせず、全体のメンテナンスにほとんど手がかかりません。しかも耐食性に優れています。特に洋上にある風力タービンは、常に塩気を含んだ空気にさらされるため、この耐食性が従来の金属を使った設計と比較した際の最大の利点となっています。ギアボックスを使ったタービンと比較してドライブベルトを使用したものは設計が単純で費用効果が高く、長期的な視点からも効率的です。と欠陥があった場合の修理も、ギアボックス全体ではなくベルトのみを交換すればよいため、非常に素早く行うことができます」

      2つの製品グループの最高技術を結集

      Goldwindにとって重要なことは、従来のギアボックスに代わる、メンテナンスに手のかからない、より単純なシステムを開発することでした。こうした条件にぴったりと当てはまり選定されたのが、コンチネンタルのシンクロドライブ技術をベースとして開発されたこのベルトでした。このベルトには、心線として亜鉛メッキが施されたスチールコードが埋め込まれ、ポリウレタンでコーティングが施されています。ベルトの片面には歯が付いており、テンショナーとの噛み合わせも抜群です。ポリウレタンは特に耐摩耗性に優れています。

      スチールコードとストランドはインパクトがそれぞれ逆方向にかかり、その結果ニュートラルな走行特性を生み出すため、ベルトは極めて型崩れしにくい構造になっています。ベルトは繰り返し曲げることができ、その回数がおよそ1,200万回にも上ること自体は珍しいことではありません。しかし、Goldwindに供給するベルトの非常にユニークな点は、コンチネンタルのノルトハイム拠点で製造される特別な布にあります。ドライブベルトを製造する専門の技術者は、シンクロチェーン技術で培った知見を採用しています。マーウィーデは次のように説明します。「この布は摩耗を抑え、騒音を吸収するだけでなく、タイミングベルトの安定性も強化します。その結果、ベルトの性能を大幅に向上させることができました。この布により歯の強化、なじみ性の改善が図られるため、効率性も高まります。つまり、2つの製品グループの力を結集することで、Goldwindに適した理想の製品を開発したのです」

      ダンネンベルクのコンピテンスセンター、将来の生産拡大に対応可能

      コンチネンタルはダンネンベルグ拠点場でGoldwind向けのベルトを製造していますが、この拠点はポリウレタンベルト生産のコンピテンスセンターでもあります。コンチネンタルは昨年、このベルト製造を目的として新設備を導入しました。この設備が稼働する建物は2017年に新しく建てられたもので、さらなる生産拡大に対応できるスペースを有しています。マーウィーデは次のように締めくくります「この拠点1か所だけで、シンクロドライブベルトとシンクロチェーンベルトだけでなく、それら2つの製品技術を組み合わせたGoldwind向け製品のような製品も製造することができます。以前はこのようなことは不可能でしたが、これが可能になったことで、当社は以前にも増して最適なパートナーになりました」

      クリーンな代替エネルギーおよび理想的な補完エネルギーとしての風力

      このようにコンチネンタルは、Goldwindとのパートナーシップを、持続可能性と資源保護というテーマに一層焦点を当てていくうえで重要な土台であると考えています。コンチネンタルはドライブベルト以外にも、Goldwindに取付用部品、風圧抵抗を軽減するためのフィルム、油圧パイプを供給しています。

      風力資源は無限です。風力タービンはクリーンで、こうしたタービンから発電される電力は他の資源から発電されるエネルギーを補完するものとして理想的であると捉えられています。2019年末時点で、世界には合計およそ650ギガワットを発電できる風力タービンが導入されています。比較のために例を挙げると、40ギガワットあればドイツの全家庭で使用される電力量を賄うことができると考えられます。既に200ギガワットを超える風力発電設備が導入が進んでいる中国は、世界でも群を抜いた、最大の風力発電市場といえます。

      こちらは現地時間2020年5月25日にドイツ・ハノーバーで発行されたプレスリリースの抄訳です。英文の原文との間で解釈に相違が生じた際には原文が優先します。英文本文はこちらよりご覧ください

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